このたび、テキストレージより発売された『仕事に疲れたお父さんを元気にする5冊の本』。
(関連記事:仕事に疲れたお父さんの休日のお供)
本書では、タイトル通り、仕事に疲れたお父さんを元気にする5冊の小説をご紹介しています。

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その中の一冊が、石田衣良さんの『40 翼ふたたび』。
人生の折り返し地点である40歳を節目に、主人公がフリーランスのプロデューサーとなり成長する物語です。

本書を始めとした、すばらしい小説を読んでもらい、40歳の方々の挑戦を応援したい!
そう思った私は、作家・石田衣良さんの元をうかがい「40歳での独立」や「小説の良さ」をテーマに、さまざまなお話をうかがってきました。

これからチャレンジしたい人も、そうでない人もぜひご一読ください。

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三村:『40 翼ふたたび』は、40歳でのチャレンジを促す小説ですが、本書を書こうと思ったきっかけは何ですか?

石田:40歳になると、特に男性は、折り返し地点だと感じる人が多いです。
当時、僕の周囲で独立する人が何人かいて。彼らを見て、折り返し地点で人生をやり直す人たちの話を書きたいな、と思いました。

三村:「挑戦したい」と思っても、お金や家族の心配もあり挑戦が難しい40歳の方もいると思います。そのような方に、メッセージはありますか?

石田:そういう人は、独立しない方が良いと思います(笑)。
独立は正しいわけでも、必ず成功するものでもないので。
それに独立したい人は、状況の良し悪し関係なく独立しちゃうんですよね。

40歳での独立は、新卒時のようにゼロからではないので、それなりに仕事ができる人だったら、そこまで厳しくはないと思います。
日本は仕事仲間や友人といった個人のつながりが会社同士よりも強い国。
みんな、心のどこかで「会社に仕返ししてやりたい」と思っている(笑)。だから、仲の良い人をひいきするんですよね。

僕自身30代後半で小説家としてデビューして、40歳ぐらいから大きく人生が変わりました。それなので、40歳から挑戦するのも面白いと思います。

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三村:本書『疲れたお父さんを元気にする5冊の本』では、5冊の小説を紹介しています。私自身小説が好きで、その良さを伝えたいのですが、40歳だとビジネス書やハウツー本ばかりで、小説はあまり読まないという方が多いです。これに関して、どのように思いますか。

石田:本って不思議で、今すぐ役に立つ実用書が、実は一番役に立たないことが多いんです(笑)。
一時、「年収1億円!」と書かれた本ならば、何でも売れる時代がありましたが、あれを読んでみなさん本当に1億円稼いだのでしょうか?

そういう意味で、ビジネス書はハーレクイーンロマンスと同じなんですよね。女の子がハーレクイーンロマンスに書かれた架空の恋愛を楽しんでいる。それと一緒。
他人の成功物語を読んで、安心している。自分は何もしていないけど、耳触りのいい言葉が書かれているから、何となく良いことした気分になっている。

三村:ビジネス書にはない、小説の利点は何ですか?

石田:小説に即効性はありません。ただ、長い間読み続けると、人生の本当に困った時に役立ちます。
例えば、病気の家族がいるのに、遠方に赴任となった。単身赴任すべきか、会社を辞めるべきか。その答えは、ビジネス書にはありません。

しかし小説には、そのような問題に対して悩み、葛藤している姿が描かれています。それに対して、自分はどう考えるのか。それを繰り返すことで、いざという時、自分が優先したいもの、選ぶべきものが分かります。

三村:石田さんが小説初心者におススメする作品はありますか?

石田:おススメという考え方がいけない。それをやるからみんなダメになる。

おススメだから、売り上げランキング1位の本を読む。その本が100万人に読まれていたら、その100万人とあなたは一緒。そんなことばかりしていると、永遠に自分だけのオリジナルティーを持つことができない。

損や遠回りをしてもいい。大事なのは、自分なりの方法で審美眼を身に付けること。それがあなたの個性となり、強みとなるのだから。

「失敗したくない!」と思って、安全な道ばかり選ぶこと自体が、僕はネックだと思いますね。

ビジネス書でよく、「これを読めば明日から変わる」とか書いてあるけど、本を読むだけですぐには変わらないから(笑)。
それよりも、5~10年後を見据えて、将来自分はどんな人間になりたいか、大きな期待を持って努力する方が良いんじゃないのかな。

最終的には、自分のセンスで、のんびり生きようと思えた人が勝つと思うしね。

時々、買った本がはずれだからといって、「あの本に商品価値はない」と言い続ける人がいるでしょ。本なんて1冊、1,500円くらいなんだから、そこまで言わなくてもいいじゃない。もう40歳なんだしさ。

これがシャツだった場合、どう思う? 「いいな」と思って買ったけど、家に帰って着てみたら思ったほどよくなかった。その時に「このシャツに商品価値はない」なんて思わないでしょ。

なぜか、映画や小説に関しては、自分の選択眼を恥じるのではなく、作品のせいにする人が多い。
それは、自分のセンスではなく、「売り上げランキング」や「おススメ」に頼り続けた結果じゃないのかな。

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三村:最後に本書『疲れたお父さんを元気にする5冊の本』について一言お願いします。

石田:今、本を読む人が少ないので、このような本はとても良いと思います。

僕も、本を読む人を増やすため、小説サイト「エブリスタ」にてライトノベルを連載したり、新人賞を創設したり、小説の書き方講座を動画でアップロードしたりしています。

キクタスさんと同じ側にいるので、ぜひ本書を読んで、本の世界に入ってくる人が増えてほしいですね。

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石田衣良さんありがとうございました。

私が、本インタビューを通じて、いちばん感じたことは、他人と同じではなく、自分自身の強みを創り出す大切さ。このことに関しては、石田さんも繰り返し必要性を訴えていました。

本インタビューを読んで、小説に興味を持ったお父さん方。

仕事に疲れたお父さんを元気にする5冊の本』を入り口に、ぜひ小説の良さを実感して下さい。

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