こんにちは。テキストレージ編集長の三村真佑美です。(関連記事:テキストレージって知ってますか)
今回ご紹介するのは「10分で読めるモバイル講演録」第4巻。大谷徹奘さんの『薬師寺僧侶が説く「中今(なかいま)」の教え』です。
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薬師寺僧侶が説く「中今」の教え/大谷徹奘(【本人音声付】10分で読めるモバイル講演録第4巻) [Kindle版]http://j.mp/10mobile_otani_04
薬師寺の人気僧侶である大谷さん。そんな彼がツラかった修業時代、「静思(じょうし)」という考え方、東日本大震災を通じて感じたことなどについてお話しています。
私が本書の中で、いちばん印象的だったのが、東日本大震災について。
年間約6万人に向けて法話をし、多くの方々を「言葉」の力で救ってきた大谷さん。
そんな彼が、被災地に足を踏み入れた瞬間に感じたのは、「自分は、役に立たない」という無力感でした。
家を失くし、家族を亡くし、すべてを無くした人たちが目の前にいる。その中、何も失っていない自分は、いったい何の言葉をかけられるというのだろう……。
この経験を通じて、自らのおごりやうぬぼれに気付いた大谷さんを救ったのが「中今(なかいま)」という言葉でした。
過去にも未来にも続いている「今」。そのことに気付いた大谷さんは、
「僕の命は自分だけのものではない。僕の生き方で、次の子供たちの命も変わる」
と考えるようになったのです。
自分の生き方が、次の子ども達の生き方に影響する。ぴんと来ないような気もしますが、子どもを持つ親御さんたちはその意識が強いかもしれません。私も振り返ってみると、両親から多くの影響を受けてきました。両親の何気ない行動、些細なひと言が、私の進路を決めたり、トラウマになったり。
大谷さんの場合は、親子にとどまらず、もっと大きな範囲、多くの子ども達のことを考えて自分の生き方を定めようとしています。
私も本からたくさんの影響を受けて、その恩返しをするように、いま、本をつくっています。
私の作る本が、書く言葉が、まだ見ることもかなわない次世代の子どもたちの人生を少しでもよくすればすごくうれしい。
そんなことを考えさせられた1冊でした。
薬師寺僧侶が説く「中今」の教え/大谷徹奘(【本人音声付】10分で読めるモバイル講演録第4巻) [Kindle版]http://j.mp/10mobile_otani_04