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2011年3月11日。あの日を境に「自分にとって一番大切なものは何か?」を
考えるようになった人は、少なくはないのではないでしょうか?

その結果、仕事や住まいなどライフスタイルの根底を大きく変えた人もいると思います。
これを読んでいる方もそのひとりかも知れません。
日本人が本来持っていると言われる「モノよりも心」の精神を
多くの人が取り戻しつつある、と言えるかもしれません。

しかしいっぽうで、今もなお日本や日本人の未来を憂いてしまうような
ニュースが後を絶たないのも事実。そんななか2020年に迎える東京オリンピック。

震災から4年、五輪まで5年。
このタイミングにいまいちど、日本と日本人を「俯瞰」してみたい。

そんな思いから、日本について外国の方にお話をうかがうこのインタビューを着想しました。

 

What does Japan mean to you?
〜あなたにとっての日本とは?〜

 

第2回はイギリスのRoger Bermaさん。
株式会社ZenWorksの代表として、国内外のライセンシング業界に幅広いコンサルティング等を行う彼に、インタビューしました。

●本インタビューを英語原文でお読み頂きたい方はこちら(English page is here

●第1回 Geoff Tozerさんの記事はこちら
日本語
English 

−ロジャーさんの会社についてお伺いしたいと思います。今、渋谷にオフィスがあるのですか?

5年前に会社をはじめました。それまでは個人事業主として4年間自宅で仕事していました。その後、株式会社を設立し、もっと沢山の方と出逢う機会を求めて渋谷のコーワキングスペースで仕事をするようになりました。

渋谷にはクリエイティブな方がたくさんいるので、とても面白いですね。私が見つけたコーワキングスペースの名前は「Connecting the dots」です。スティーブンジョブスの言葉からです。聞いたことありますか? ビジネスについて話をする際に、彼はよく点と点を線で繋ぐというお話をされますよね。

私は、海外ブランドを代理して、製造などクリエイティブな仕事をする方と一緒に仕事をさせて頂くことが多いです。ブランドの著作権や商標登録を通してビジネスを拡大させていきたいなと思っています。ほかには、ライセンスコンサルティングの仕事もしています。海外の企業に日本やアジアの代理店を紹介するお手伝いをさせて頂いています。日本企業の海外進出のお手伝いもしています。

−どのくらい頻繁に海外に行かれますか?

このビジネスでは、スカイプやメールではなく、やはり直接お会いすることがとても大事だと思っています。だいたい年に4〜5回ほど海外出張は行きますね。

−会社名「ZenWorks」はとてもいい名前ですね。どのような由来があるのか聞いてもよろしいですか?

ありがとうございます。よく聞かれますね(笑)もともとは、ほかのビジネスをやろうと思っていたのです。確か、事業名を登録したのは10年前だと思います。当時は、日本の職人さんと一緒に仕事がしたかったのです。それぞれの地域で伝統工芸品ってありますよね。例えば、新潟だったら金工、能登だったら輪島漆がありますよね。彼らは一流の伝統工芸品を作りますが、それらを広めることは簡単ではないので、そこで私がお手伝いできることがあるのではないかと思っていました。私は、マーケティングやセールスが得意なので、海外への橋渡し役としてビジネスモデルを考えていました。それでふと「Zen」という言葉が頭に浮かびました。なので、会社名ができてから、自分なりの哲学を確立していきましたね。

「Zen」という言葉は複数の意味を用います。まずは、「座禅」。会社を派手に拡大させるというよりも、根強くゆっくりと成長させて行きたいと思っています。そして、「改善」。常に改良して、より良くしていきたいと思っています。最後に、「完全」。完璧でいようとは思っていませんが、いつもベストを尽くします。結構深いですよ(笑)

−日本に来られたきっかけは何ですか?

1984年頃だったと思います。自分の生きる意味を探し求めて旅に出ていました(笑)そのときに日本に来ました。リバープールに住んでいたのですが、大学に通っていたときに少しつまらなくなって休学をしたのです。

小さい頃から、図書館に行っては旅行関連の本ばかり読んでいました。両親も旅行が大好きだったので色々なところに連れて行ってもらいましたね。香港に行った時、ある観光客に目黒にあるEnglish villageについて教えてもらったのです。English villageは、日本人と一緒に住む寮みたいなところです。滞在費と夕食を無料で提供するかわりに、外国人は一日7時間英語を教えるのです。

¬−リバープールはどんなところですか?

ロンドンはとても忙しくて人口の多い街ですが、ほとんどが訪問者です。北のほうに行けば、親しみやすい方が多いです。リバプールは物価も安いですし、居心地も良いと思います。ウェールズは最高です。夏のスコットランドも素敵です。ウィスキーが好きなら、ぜひスコットランドに行ってみてください。

−日本語がとても上手ですね。どのように勉強されたのですか?

2年半日本語学校に通いました。学生ビザがとれたので、渋谷にある学校へ通いましたが、とてもユニークな学校でした。そこで良い先生や友達に出逢い、彼らとよくお話して日本語を覚えました。

−日本で、びっくりされた経験はありますか?

あまり期待をせずに日本に来たので、とくに驚いたことはないと思います。でも、成田空港に着いて、リムジンバスを乗っていた時のことですが、町の風景には驚きましたね。千葉から都内に移動する中、たくさんの緑からビルやマンションへと景色が変わりますよね。それはもうびっくりしました。

東京はかわいい街ではないですね(笑)パリやロンドンに行くと、歴史を感じる建物が多いですが、東京は混沌としています。とても珍しいと思いました。日本の職人さんの仕事を見ると、とてもよくできていますし、建築を見ても、完成度が高いです。製造に関しても、ほぼ完璧です。ただ、都市計画になると違いますね。とても混沌としていると思います。結果的にそうなってしまっただけだと思いますが。東京は大混乱と完璧が混ざり合った街だと思います。

−日本の良いところと悪いところは何だと思いますか?

とても安全な国ですね。たとえば、娘が夜遅く外で歩いてもあまり心配はしません。もし携帯をお店に忘れて、3時間後にとりに行っても問題は起きません。日本人はとても丁寧で親切です。

逆に、良い友達を作るのは難しいと感じます。親しい日本人の友達は残念ながらほとんどいません。例えば、イギリスでもし友達に会いたいなと思ったら家に直接遊びに行きます。日本ではそうは行かないですよね。まず、いつ会うか予定を決めなくてはならないです。

−日本人とイギリス人の共通点や違いは何だと思いますか?

共通点は、どちらも内気なところがあると思います。はじめは慎重になりますが、知れば知るほど良い人間関係を築けると思います。どちらも島国ですし。違いよりも、共通点のほうが多いかもしれないですね。

−イギリス人は日本人よりも2〜3倍は海外旅行に行くことが多いと聞きます。その点についてはどう思いますか?

一般的に、日本人のほうが島国性は強いと思います。外よりも中に目を向けやすいです。日本は閉鎖的ですが、ヨーロッパは外向的だと思います。それが違いかもしれないですね。

−日本を知らない友達に、日本のお勧めを三つ挙げるとしたら何ですか?

まず、日本の農家と一緒に一週間暮らしてみたらどうかと提案します。そうすれば、日本での暮らしがよく分かると思いますし、どうやって生活しているかが分かります。

次に、一週間東京でぶらぶらしてみることです。山手線沿いに歩いて見ると、だいたい12時間かかると思いますが面白いと思います。最後に、海外に住んでいる場合、ぜひ日本人留学生を受けいれてみてください。一緒に暮らすことでもっと相手を知ることができます。この三つがお勧めの体験です。

−東京オリンピックが近づいてきています。成功の秘訣は何だと思いますか?

人だと思います。ロンドンオリンピックの時は、ボランティアのおかげでうまくいったと思います。

−もし、東京オリンピック大使に選ばれたら、あなたは何をしますか?

ボランティアプログラムをしっかり検討します。みんながやる気がでるような環境を整えたいと思います。

−将来、どのような人生を生きたいと思っていますか?

健康でいることですね。いつもハッピーで、健康でいることです。家族を大切にして、自分に正直に生きることです。お金があると困らないですが、それが全てではありません。

−日本に住み続けた理由は何ですか?

自分の人生が日本にあります。家族も会社も日本にあります。お墓も買いました(笑)とても居心地の良いですよね。

−影響を受けた日本人の方はいらっしゃいますか?

ビジネスにおいては、ニュージーランドに住んでいた元上司に影響されましたね。彼の考え方はとても参考になりました。大きく影響を受けた方はいませんが、色々な環境や出逢う人に少しずつ影響を受けて、総合的にそれは自分の中で大きな学びはありましたよ。

日本の哲学は好きです。武者小路実篤が好きです。確か、彼は埼玉に村を作った人です。彼の書いた書籍が好きですが、そのなかにこんな言葉があります。「空に星、土に花、人に愛」。知っていますか?私のビジネスアプローチにおいて、彼の哲学は結構影響を受けました。

−貴重な時間を有り難うございました。とても楽しくお話させて頂きました。

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